まさかと思うかもしれませんが、外国旅行の主な目的がその国や文化について知ったり、観光したりすることではなく、ギャンブルが目的だという人々がいます。

最近では旅行の手配においてギャンブルが大きな割合を占めるようになり、その大きな存在感から「カジノツーリズム」という言葉すら生まれています。

多くの国はこの種の観光について反対の立場を示していますが、現実はかなり違います。実際これはビッグビジネスであり、かなりの収益を見込めるのです。多くの国が人気の観光スポットに大規模なカジノやリゾートを開発しているのはそのためです。

カジノが観光産業に与える影響

観光産業におけるカジノの力がはっきり見てとれる典型例といえば、もちろんラスベガスです。2016年だけで、ネバダ州を訪れた観光客は4000万人にも上ります。

ええ、ギャンブルを楽しみたいならラスベガスはぴったりな場所です。ですが、他の国や都市もまた、この流れに乗って観光客の誘致にカジノを利用しようとする動きがあります。

フィリピンやシンガポール、モナコといった国々は、まさにこういった観光客のおかげで高い収益を報告しています。日本もまた、こういった潮流に上手く乗り、経済の活性化を図るためにカジノ関連の法整備化を推し進めています。
カジノが他の産業に与える影響
カジノのメリットは、基本的には多くの富裕層の観光客を呼び込み、1つの狭いエリアに集められることです。また、こういった緊密なグループ化により他の産業も外貨獲得が可能になります。

他の産業とはいったい何を指すのでしょうか。カジノがあるところにはホテルやレストラン、さらにいくつかリゾートがあります。

地元のレストランは外国人観光客の食欲を満たすだけではなく、地元の料理を知ってもらうこともできます。

また、食事以外にもカジノを訪れたゲストは空いた時間を利用して周辺地域を観光したり、他の観光スポットを訪問したり、地元のイベントやお祝い事を見学したり、参加することもあるでしょう。

経済の活性化と新規雇用の創出

カジノツーリズムにおいて見過ごされがちなもう一つの重要なメリットが、新規雇用の創出です。カジノに関連する仕事には次のようなものがあります。
● 通訳 -常連のハイローラーや外国からの観光客を多数呼び込みたい場合、特に重要になるのが通訳の存在です。個人付きの通訳がいれば、カジノでより快適に過ごせるだけでなく、より多くのギャンブラーを呼び込むことができます。
● ガイド-先ほど述べたことと関係しますが、カジノが人気の観光スポットの近くにある場合、現地ガイドがいれば、カジノのゲストに現地の文化を知る機会を与え、地元の経済を活性化させるのに有効です。
● 運転手-カジノのゲストがより快適で便利に過ごせるようカジノ間を行き来するシャトルサービスを提供すれば、それ自体がビジネスとして成り立ちます。またゲストを安心させ、よりリラックスした状態にすることで、滞在中の消費額が伸びることも期待できます。